
第7回 浜松医科大学 同窓会 学術奨励賞 受賞者に伺いました坪 井 貴 司 氏医学科大学院第18期生本学光量子センター(現在渡米中)
今回,同窓会学術奨励賞を頂いたことは大変名誉なことであり,大変喜んでおります。また,自分の研究をいろいろな形で支えてくださった諸先生方には,大変感謝致します。
神経伝達物質やホルモンは,開口放出反応によって神経や内分泌細胞から放出されます。この反応は,細胞膜と神経伝達物質やホルモンの入った分泌顆粒膜との接着及び融合によって制御されます。しかし,その反応の詳細については,まだまだ謎なことが多数残されています。しかし,その反応の詳細については,まだまだ謎なことが多数残されています。そこで,膵臓ベータ細胞の単一分泌顆粒の開口放出動態を直接的かつ生きた状態でリアルタイムに可視化してみようというのがきっかけで,大学院3年生の1999年11月から今回のテーマに取り組み始めました。
インスリン分泌反応をリアルタイムで観察するために,全反射照明型(エバネッセンス)蛍光顕微鏡(現在では市販されていますが)1から自分の手で製作しなければなりませんでした。さらに,試作した顕微鏡の性能を評価することもしなければならず,苦労しました。一番苦労したことは,観察した結果がアーチファクトではないことを照明し,かつその観察結果(動的な映像から)を客観的かつ論理的な文章(静的なものへ)にすることでした。
現在は,消化管ホルモンであるglucagon-like peptide-1(GLP-1)による,インスリン分泌促進機構に取り組んでおります。具体的には,GLP-1投与による膵臓ベータ細胞内小器官の(分泌顆粒,小胞体,ミトコンドリア,ゴルジ体等)ATP,Ca2+濃度変化を化学発光法(ルシフェリン,エクオリン)や蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)を用いて可視化解析を行っています。
今回の同窓会学術奨励賞受賞の対象となった研究は,開口放出(エキソサイトーシス)がメインテーマでした。今後は,エキソサイトシース後の分泌顆粒膜の動態,すなわちエンドサイトーシスがどのような分子によって制御され,どのような機構で分泌顆粒をリサイクルしているのかについて研究を進めていく予定です。 |