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DOCK180は、細胞内アダプター分子CrkのSH3領域に結合する分子として同定された。既存の蛋白と相同性を有さず、機能を構造から類推することは不可能であったが、申請者は以下の6つの結果を得て、DOCK180は、p130Cas‐Crk 複合体からの細胞接着に関与する信号を正に伝達し細胞骨格を制御する、というモデルを提唱した。
1) DOCK180に膜移行信号を付加すると、紡錘形であった線維芽細胞が平坦で大型になる。2)この時、DOCK180はセリン基にリン酸化を受ける。3) 同様なリン酸化は、インテグリン刺激・v‐src、v−srcによる癌化の際に観察される。4)3)の条件でDOCK180−Crk、
Crk-p130Cas の結合量は増加している。5)更に一過性の発現の系において、DOCK180 -Crk -p130Cas のものを同時に発現させると、膜移行信号を付加した際と同様の形態変化を誘導できる。6) この時DOCK180は、細胞が付着する際の基点となる場所に移行する。7) 逆にDOCK180を発現させることでp130Casのリン酸化が昂進し、Crkとの結合量も増加する。
更に、先の膜移行信号不可型のDOCK180が起こす形態変化が恒常的活性型の Rac のそれとよく似ていることに注目し、1) DOCK180がRacの下流にあるJNKを活性化すること、またその活性化は優勢劣勢型のRacによって抑制されること、2)DOCK180がRacのGTP型を上昇させること、3)DOCK180が核酸と結合していない型のRacと結合すること、4)DOCK180−Crk -p130Casのものの発現により誘導された細胞の形態変化は、優勢劣性型のRacによって抑制されること、の点よりDOCK180がRacの上流に位置し活性化することで、細胞形態を制御する、と結論した。
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