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非ランダムな染色体異数性による胃癌の予後の予測: 胃癌51例の病理組織検体を用いたレトロスペクティブな研究
Nonrandom Chromosomal Numerical Abnormality Predicting Prognosis of Gastric Cancer: A Retrospective Study of 51 Cases Using Pathology Archives. Laboratory Investigation Vol.83(2003), No.9,p1311-1320. |
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悪性腫瘍に特徴的なゲノムの変化の一つが染色体の異数性であるが、その発生機序や腫瘍特異性に関してはほとんど解明されていない。我々は FISH 法にマイクロウエーブの前処理とハイブリの際間欠照射を併用した極めて感度の高い解析法を開発し、胃癌の発生から進行癌に至るまで染色体異数性(CNA)の多段階的プロセスを解明した( Clin Cancer Res 2000)。更に過去のパラフィンブロックを用いた世界で始めての高感度 FISH 法を開発 ( Lab Invest 2000 )。 今回我々は胃癌51例を腺管癌 ( tub ) と粘液細胞癌 (muc) に分けてセントロメアワイドにCNAの解析と癌関連遺伝子 c-myc, P53 の増幅・欠失を高感度 FISH 法で解析し、同時に HER-2/neu タンパクの異常発現状態を調べた。 癌の組織型にかかわらず染色体 1, 8, 17, 20, X の異常が高頻度に認められ、逆に 10, 15, 18 は非常に安定していた(P<0.001)。また muc は tub に比べて癌の進行度に関わらずCNA stable (21.0)±10.63% versus 62.8 ± 12.79%, P<0.001)、男性例は女性例に比べ有意に CNA unstable であった ( P<0.001 )。 また進行癌24例の予後を追跡してみると 3, 10, 11, 12, 17, Y の CNA の low なグループは high グループに比べて予後が極めて良好であった ( P<0.0001)。更にこれら6種類の染色体の CNA と c-myc, p53 及びHER-2/neu 遺伝子の異常を組み合わせた二段階評価法によって、かなり正確な予後の予知が可能な事が示唆された。 まず CNAlow (0-2/6) と high (3-6/6) の2群に分け、更に low グループでは c-myc, p53, HER 2-neu の異常の頻度で 0-1/3 と 2-3/に分け、前者は予後良好、後者は中間群分類、また high グループでは 0/3 と 1-3/3 に分け、前者は中間群、後者は予後不良に分類することを提唱。これらの分子細胞遺伝学的な予後予測分類は、従来の形態学的な癌の組織異型度や進行度による予後の推測で判断を誤ったようなケースにも非常に良く当てはまり、極めて正確で実用的な予後評価手段となり得る可能性がある。 今後癌や他の腫瘍性病変において、初期診断の時点で特定のCNAや癌関連遺伝子の増幅の解析によってより正確な悪性度や予後予測が可能になることは治療や術後のフォローアップにも大きく寄与するであろうと思われる。
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