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維持血液透析患者の長期生命予後に対する頚動脈硬化病変の影響
Impact of Carotid Atherosclerosis on Long-Term Mortality in Chronic Hemodialysis Patients. Kidney International, Vol.64(2003),pp1472-1479 |
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本邦の透析患者は年々増加しており、2002年度末は23万人まで達している。しかし、近年の透析技術の進歩にもかかわらず、2002年度の年間粗死亡率は9.2%であり、予後は依然として不良である。透析患者は健常人に比し、動脈硬化が高度である。しかし、透析患者の長期生命予後に対し、どの動脈硬化病変が関連するかは不明であり、現在まで有用な指標は確立されていない。 本論文では219名の維持血液透析患者を対象とし、超音波検査による頚動脈内膜中膜厚(intima medial thickness, IMT)、頚動脈プラーク、腹部CTによる腰椎部の大動脈壁石灰化係数(%ACI)、血漿ホモシステイン(Hcy)濃度を測定し、その後5年間にわたって臨床経過を追跡した。 その結果、5年間で54名(25%)が亡くなり、その内40名(74%)は心血管系疾患が原因であった。死亡患者は生存患者に比し有意に高齢であり、糖尿病の頻度が高く、低アルブミン血症が認められた。また、死亡患者では頚動脈IMTが有意に厚く、プラークが高頻度にみられた。単因子による比例ハザード解析では、全死亡に対して年齢、糖尿病、Ca・P積、血中アルブミン、頚動脈IMT、プラークが有意に関連した。心血管死に対しては、年齢、糖尿病、血中アルブミン、副甲状腺ホルモン、頚動脈IMTが関連した。 一方、一般に心血管死と関連するHcy、%ACIやLDLコレステロールは予後と関連しなかった。多因子による比例ハザード解析では、全死亡に対し、糖尿病、アルブミンおよび頚動脈IMTが独立因子となり、IMTの0.1mm増加により死亡危険率は31%上昇した。同様に、IMT0.1mm増加は心血管死の危険率を41%増加させた。全例をIMT0.55mm以下、0.55ー0.70mm、0.70mm以上の3群に分け生存率を検討すると、IMT0.70mm以上の患者は他の2群に比し、5年生存率は有意に低かった。 以上より、頚動脈IMTは透析患者の長期予測に対し、最も有用な指標であることが明かとなった。今後、末期腎不全患者の生命予後を改善させるため、頚動脈IMTを指標とした新たな治療戦略を確立していく必要があると思われた。
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