浜松医科大学 副学長 市山 新

同窓会学術奨励賞の選考にあたって







学術奨励賞選考委員会委員長 市山 新

私は2000年(第5回)と2001年(第6回)の同窓会学術奨励賞の選考に選考委員会委員長として関与した。選考委員会のメンバーは、小出教授(微生物)、福田教授(生理第一)、梅村教授(薬理)、浦野助教授(生理第二)、山本助教授(光量子)、馬場助教授(病理第二、第5回)あるいは小林浩講師(産婦人科、第6回)と私の計7名であった。

昨年の第5回(2000年)は11件、今年の第6回(2001年)は6件の応募があり、各選考委員が予め全ての応募論文に目を通し、それぞれの論文に対する評価を書面で同窓会事務局に提出した後委員会を開催し、討論した上で最終的には投票により決定するという手順で選考を行った。

本学同窓会の方々の研究のレベルは大したものであり、いずれの年にも応募論文を配られた段階で非常に優れた論文が沢山あることに驚き、この中からいくつかを選ばねばならない立場をうらめしく思ったほどである。他の委員も同様だった様子で、委員会では長時間にわたって討論が行われた。結局昨年は5名、今年は3名の方々に学術奨励賞を差し上げることになったが、受賞できなかった論文の中にも優れた論文があったことを今でも心残りに思っている。

受賞したのはいずれもそれぞれの分野のトップクラスのJournalに発表された大変立派な論文である。たとえば、小杉伊三男氏(第6回受賞者)の論文はアメリカ・カナダ病理学会の機関誌であるLaboratory Investigation の2000年9月号にcover story として紹介されている。研究の内容については、佐藤知行氏(第5回受賞者)の直腸肛門部切除後の新肛門作成術という極めて魅力的で有用と思われる臨床的研究以外は、時代の趨勢というか、いずれも分子生物学的手法あるいはFura-2Ca2+imaging等による研究であった。

本学が今後更に発展するためには、教育に力を入れて優れた医師を養成し社会に供給しながら、研究面でもきらりと光る大学であることが必須であり、本学卒業生がこのような優れた研究を展開していることを大変心強く、嬉しく思っている。唯一残念なことは、多くの受賞論文の研究が本学卒業生によって、しかし他施設で行われていることである。

人的資源の確保を含めて、本学の研究環境整備の必要性を改めて痛感した。

平成13年 7月