
マウスのフルオロキノロン光アレルギーにおける交叉反応性: 戸倉 新樹氏(医学科第3期生) |
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キノロン系抗菌薬であるフルオロキノロン(FQ)は,本邦ではニューキノロンと呼ばれ,臨床的に広く利用されている。しかしその主な副作用に光線過敏症があり,同剤服用患者はしばしば日光誘発性の皮膚炎を生じる。FQの光線過敏症には,光毒性によるものと免疫学的機序が介在する光アレルギー性によるものとがある。本研究の目的は,光アレルギー性FQ光線過敏症の発症機序をマウスを用いて検討することがある。FQは長波長紫外線(UVA)照射下で蛋白と共有結合する光ハプテンとしての性格がある。このため,HQ溶液に浮遊した表皮細胞をUVA照射することにより,FQ光修飾細胞を作製しえた。同光修飾細胞上でのFQの存在は,FQ光産物に対するモノクロール抗体を作製し,免疫組織化学,cell-ELISA,フローサイトメトリにて確認した。FQ光修飾表皮細胞を皮下投与することにより,マウスをin vivoにて感作,惹起可能であり,FQを全身投与して皮膚にUVAを照射する経皮的感作,惹起方法と互換性があった。すなわちFQ光線過敏症は,表皮細胞がFQにより光りハプテン化されることからはじまるといえる。感作したマウスのリンパ節細胞は,FQ光修飾ランゲルハンス細胞(LC,表皮における抗原提示細胞)にin vivoで反応した。 6種類のFQについて感作T細胞とFQ光修飾LCの交叉反応性を検討したところ,全ての交叉反応性を示した。さらにT-cell line を作製し,過敏症を媒介する細胞はFQの種類によらずT細胞受容体Vβ13を有するTh1細胞であることを明らかにした。このT-cell line を無処置マウスに移入することによりFQ光線過敏症を移すことができた。以上の結果はあるFQで光線過敏症を起こした患者は他のFQの投与も避けるべきこと。さらにFQ光線過敏症患者は発症時既に他のFQによって光感作されている場合があることを示唆する。 |